事故件数の告知について
2019年10月より、各損保が共用部分火災保険の契約時に成績算出期間における事故件数(保険金受領件数)を契約者の告知義務としました。今回は、お客様にとってわかりづらいこの制度について解説致します。
【成績算出期間とは】
保険会社によって異なりますが、契約の保険期間全てが対象ではなくある一定期間が成績算出期間になります。
例:2023年8月1日満期(契約開始日)の場合
東京海上日動:2021年2月2日~2023年2月1日
日新火災海上:2021年2月2日~2023年2月1日
三井住友海上:2021年2月1日~2023年1月31日
あいおいニッセイ同和:2021年2月1日~2023年1月31日
損保ジャパン:2022年2月2日~2023年2月1日
保険会社によって異なりますが、1~2年間が対象になります。
【事故日ではなく保険金受領日になります】
保険金受領日が成績算出期間内である件数を告知頂くこととなります。事故日ではございませんので、ご注意ください。
【一事故で複数回の支払いが発生する場合の取り扱い】
専有戸室へ漏水事故が発生、その原因の調査費用と被害宅への復旧費を保険金請求するなどはよくある事故例です。こういった事故の場合は一事故とみなします。また、調査費用と復旧費の支払日が同一ではない場合は、先に支払われた日が成績算出期間内か否かで判定致します。
【件数による影響】
告知を受けた件数は、一戸室あたりの事故件数を算出する計算基礎として利用されます。
事故件数/一棟の全戸室数=一戸室あたりの事故件数
東京海上日動を例として挙げますと、一戸室あたりの事故件数が0.14件以上になりますと割引なし、0~0.01件以下ですと69%割引になります。
また、保険会社によっては一戸室あたりの事故件数が多いと、免責の設定、水濡れ調査費用の付帯不可など、契約条件に制限が加わる事例もあります。
尚、東京海上日動では一棟20戸未満の場合は、この件数の告知は不要になります。
件数によっては、満期時の保険料や契約条件に大きなインパクトを与える恐れがございます。
保険金請求の際には、算出期間を考慮して請求されることをお勧め致します。
自身の組合の契約はどのように算出するのだろうか?など、ご不明な点がございましたら是非とも当社までご相談下さい。
(注意)
上記2023年3月現在の規定について解説しております。今後損保各社の改定により、内容が変更になる際には上記の限りではなくなることをご注意ください。